「上から見ますね」
 軽く言った君の本心は、はしゃいでいた。
 見て! 見て! 飛べるようになったよ! ほら!
 口には出さずに、純白のマントに風を含ませる。

 渓流の岩を飛ぶように風の塊を渡って、君は真っ白な花の海を見下ろした。
 さざなみ立つ平原を、緩やかな丘陵が取り囲んでいる。