純白の花園を、君は両手をついて覗きこむ。
 白の中に異物が混じれば一目でわかりそうなものだが、たんぽぽほどの花の背が模型を呑み尽くしてしまっている。
 君は風に揺れる花の波間に目を凝らす。

 果てしない作業でも、その人の為になれるなら誇らしい。
 道々、模型を落とした状況を聞きながら、君はその人と花の海に踵を浸して歩きまわった。